上訴(抗議)、メダル故に…リオ五輪、男子50km競歩
今までにないほど、呟いてしまいました。多少、睡眠不足です(汗)
ネットニュースから、結果が二転した競歩の顛末を含め、個人的な考え込みで書いてみたいと思います。
今回の流れ。
・レース中に接触、お互いに多少よろめくが問題なくフィニッシュする
・銅メダルを逃したため、カナダ人選手の意向に関わらず、カナダ選手団(陸連)が上納金(1万円程度)を納め上訴(抗議)した
(接触が妨害行為である、としたのかもしれません)
・上訴が認められ日本人選手が失格、カナダ人選手が銅メダル
・日本人選手団(陸連)が不可抗力であるとして上納金を納め上訴(抗議)
・上訴が認められ、失格が取り消され、日本人選手が再び3位となる
・確定し、銅メダル獲得
メダルを逃したくないということで、選手の意向を聞かずに上訴が行われた(らしい)のが発端。
地域の陸上大会でも、こういう接触に伴う抗議はあります。
まあ、ここまで二転三転することは珍しいですが…。
競歩の場合、歩型違反と呼ばれるものが一定数の審判員によって確認された場合に、その場で失格を言い渡しレースを止めさせます。
フィニッシュ後に一定数に達していたことがわかった場合、全員のフィニッシュなどが確定してから3分程度以内(普通は、全員のフィニッシュを待たないで都度集約・告知します)までに選手へ知らせなければなりません。
競歩競技の場合、歩型違反の状態を掲示する「掲示板」が準備されています。
私の場合、記録計測・取りまとめに関わることもあるので知っていますが、写真判定でタイム確定を進めながら「赤カード」(選手別に、違反の状況を書いた紙)の到着を待つパターンになります。
(到着した時点では、必要な選手に失格の告知は済んでいるわけです。)
集約された書類を見て、失格者がいればタイム・着順を外す訳です。
歩型違反、ロス・オブ・コンタクトとかベントニーと呼ばれるものですが、私自身は、見ても判断できません(汗)
日本陸連ホームページには、見分け方の資料は掲載されてます…。
ネットニュースの意見欄には、審判に問題があるような書き方もありますが、流れ的には問題ありません。
接触行為で自分が不利になった、と思えば上納金を支払って正式に上訴(抗議)できる制度があり、それを使えばいいだけです。
不利になっていないと思えば抗議しないのですから、いわゆる「選択制」とも言えるわけです。
接触したが上位になった選手(この場合、日本人選手)は、最初に抗議することはありません。
仮に抗議するとすれば、2位選手とのタイム差が1秒以内になった場合でしょう。
(僅差によるフィニッシュ。)
接触がなければ2位になったかもしれない、接触により記録に不利益を生じた、と。
今回は、接触により「妨害された」との上訴。
ネットの意見では、両者失格に、という書き込みも見られますが、そういう権限はありません。
日本人選手を失格にするか、失格になった場合再上訴で失格を取り消すか、の流れのみ。
両者失格にするには、お互いに故意に接触したことで両者が上訴し上訴され、その事実が確認できた場合のみです。
これを仮に、接触行為があった現場で、審判員の権限で失格を言い渡しレースを止めさせた場合、非常に悔しい事象が起こり得ます。
それは、レース後の上訴で失格が取り消された場合です。
フィニッシュしていれば正式計時(正式タイム)が残っていますから、失格が取り消されればタイムが復活するわけです。
もし、接触行為発生時に失格を言い渡されると、フィニッシュできていないため正式計時(正式タイム)が残りません。
そういう状態で失格が取り消されれば、どうなるでしょうか?
ルール上では、接触行為により審判の裁定でレースを止めさせることがないので判断つき兼ねますが…
途中棄権(DNF, DoNotFinish)か記録なし(NM, NoMark)になると思います。
選手自らがレースを止めたわけではないので、記録なし、かな…。
(フィールド競技でファールになり、試技全てが無効になった場合と同じ扱いになるかと。)
そうなったら、マスコミ含めて騒ぎますよね…
「なぜ現場で失格の判断を行ったんだ?」と。
いわて国体、東京五輪がありますけど、ルールがわからないとこういう場合に困るわけです。
見ている方が騒ぐだけであればいいのですが、電話で抗議や意見を述べる方が出てくる点。
一部の現場が困るわけです。
やはりメダルや入賞がかかると、選手本人は正しい判定と納得していても代理人が上訴することもあり、すんなりとはいかない場合もあります。
余談ですが…
地域・市町村や県レベルや、県内外から参加者を募る規模の小さい陸上大会であっても、入賞がかかっている場合、判定に納得しない関係者が日本陸連に直接電話をするケースが稀にあるんです(汗)
その場合、こんなことが言われるようです。
「私ども(電話を受けた日本陸連関係者)は状況を見ていない。現地の審判員は現場を見ているので私共より正しい判定が行えると思いますので、大会審判員の判断や審判長の裁定に従ってください」と。
ですから、現場の指示に従ってください(汗)
スポーツでは色々と判定に問題が生じますが、審判が見た状況、確認できた状況、ルールで認められた情報収集により得られた情報で判断するしかありません。
観客などの外野が撮影したビデオを出されても、ルール上、正式に大会本部が認めた方法で記録された媒体以外は参考にしないように(見ないように)決められている場合もありますから、下手に騒がない方がいいことが少なくありません。
様々思い出しながら書いてみました。
手伝いで関わっているからわかるのですが、大会運営も大変なんですよ(汗)
特に今回は、競歩特有の「記録確定」を待たずにマスコミが騒いだこともマズイと感じています。
競歩は、ゴール、いわゆるフィニッシュした後に失格を言い渡されたり、上訴により失格になることもある故…
3位フィニッシュだから銅メダル獲得、とは書けないのが本当なのです。
レース確定時点で「速報・銅メダル獲得か?」
上訴時間が過ぎたら「おめでとう!銅メダル獲得!」
こうなれば、記事訂正を行わずに済んだのですけど、ね…。
ネットニュースから、結果が二転した競歩の顛末を含め、個人的な考え込みで書いてみたいと思います。
今回の流れ。
・レース中に接触、お互いに多少よろめくが問題なくフィニッシュする
・銅メダルを逃したため、カナダ人選手の意向に関わらず、カナダ選手団(陸連)が上納金(1万円程度)を納め上訴(抗議)した
(接触が妨害行為である、としたのかもしれません)
・上訴が認められ日本人選手が失格、カナダ人選手が銅メダル
・日本人選手団(陸連)が不可抗力であるとして上納金を納め上訴(抗議)
・上訴が認められ、失格が取り消され、日本人選手が再び3位となる
・確定し、銅メダル獲得
メダルを逃したくないということで、選手の意向を聞かずに上訴が行われた(らしい)のが発端。
地域の陸上大会でも、こういう接触に伴う抗議はあります。
まあ、ここまで二転三転することは珍しいですが…。
競歩の場合、歩型違反と呼ばれるものが一定数の審判員によって確認された場合に、その場で失格を言い渡しレースを止めさせます。
フィニッシュ後に一定数に達していたことがわかった場合、全員のフィニッシュなどが確定してから3分程度以内(普通は、全員のフィニッシュを待たないで都度集約・告知します)までに選手へ知らせなければなりません。
競歩競技の場合、歩型違反の状態を掲示する「掲示板」が準備されています。
私の場合、記録計測・取りまとめに関わることもあるので知っていますが、写真判定でタイム確定を進めながら「赤カード」(選手別に、違反の状況を書いた紙)の到着を待つパターンになります。
(到着した時点では、必要な選手に失格の告知は済んでいるわけです。)
集約された書類を見て、失格者がいればタイム・着順を外す訳です。
歩型違反、ロス・オブ・コンタクトとかベントニーと呼ばれるものですが、私自身は、見ても判断できません(汗)
日本陸連ホームページには、見分け方の資料は掲載されてます…。
ネットニュースの意見欄には、審判に問題があるような書き方もありますが、流れ的には問題ありません。
接触行為で自分が不利になった、と思えば上納金を支払って正式に上訴(抗議)できる制度があり、それを使えばいいだけです。
不利になっていないと思えば抗議しないのですから、いわゆる「選択制」とも言えるわけです。
接触したが上位になった選手(この場合、日本人選手)は、最初に抗議することはありません。
仮に抗議するとすれば、2位選手とのタイム差が1秒以内になった場合でしょう。
(僅差によるフィニッシュ。)
接触がなければ2位になったかもしれない、接触により記録に不利益を生じた、と。
今回は、接触により「妨害された」との上訴。
ネットの意見では、両者失格に、という書き込みも見られますが、そういう権限はありません。
日本人選手を失格にするか、失格になった場合再上訴で失格を取り消すか、の流れのみ。
両者失格にするには、お互いに故意に接触したことで両者が上訴し上訴され、その事実が確認できた場合のみです。
これを仮に、接触行為があった現場で、審判員の権限で失格を言い渡しレースを止めさせた場合、非常に悔しい事象が起こり得ます。
それは、レース後の上訴で失格が取り消された場合です。
フィニッシュしていれば正式計時(正式タイム)が残っていますから、失格が取り消されればタイムが復活するわけです。
もし、接触行為発生時に失格を言い渡されると、フィニッシュできていないため正式計時(正式タイム)が残りません。
そういう状態で失格が取り消されれば、どうなるでしょうか?
ルール上では、接触行為により審判の裁定でレースを止めさせることがないので判断つき兼ねますが…
途中棄権(DNF, DoNotFinish)か記録なし(NM, NoMark)になると思います。
選手自らがレースを止めたわけではないので、記録なし、かな…。
(フィールド競技でファールになり、試技全てが無効になった場合と同じ扱いになるかと。)
そうなったら、マスコミ含めて騒ぎますよね…
「なぜ現場で失格の判断を行ったんだ?」と。
いわて国体、東京五輪がありますけど、ルールがわからないとこういう場合に困るわけです。
見ている方が騒ぐだけであればいいのですが、電話で抗議や意見を述べる方が出てくる点。
一部の現場が困るわけです。
やはりメダルや入賞がかかると、選手本人は正しい判定と納得していても代理人が上訴することもあり、すんなりとはいかない場合もあります。
余談ですが…
地域・市町村や県レベルや、県内外から参加者を募る規模の小さい陸上大会であっても、入賞がかかっている場合、判定に納得しない関係者が日本陸連に直接電話をするケースが稀にあるんです(汗)
その場合、こんなことが言われるようです。
「私ども(電話を受けた日本陸連関係者)は状況を見ていない。現地の審判員は現場を見ているので私共より正しい判定が行えると思いますので、大会審判員の判断や審判長の裁定に従ってください」と。
ですから、現場の指示に従ってください(汗)
スポーツでは色々と判定に問題が生じますが、審判が見た状況、確認できた状況、ルールで認められた情報収集により得られた情報で判断するしかありません。
観客などの外野が撮影したビデオを出されても、ルール上、正式に大会本部が認めた方法で記録された媒体以外は参考にしないように(見ないように)決められている場合もありますから、下手に騒がない方がいいことが少なくありません。
様々思い出しながら書いてみました。
手伝いで関わっているからわかるのですが、大会運営も大変なんですよ(汗)
特に今回は、競歩特有の「記録確定」を待たずにマスコミが騒いだこともマズイと感じています。
競歩は、ゴール、いわゆるフィニッシュした後に失格を言い渡されたり、上訴により失格になることもある故…
3位フィニッシュだから銅メダル獲得、とは書けないのが本当なのです。
レース確定時点で「速報・銅メダル獲得か?」
上訴時間が過ぎたら「おめでとう!銅メダル獲得!」
こうなれば、記事訂正を行わずに済んだのですけど、ね…。
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